内視鏡検査の流れ
上部消化管内視鏡検査の場合
1検査前日
- 夕食は消化の良いものを20時までに食べ終え、以降の食事はお控えください。
- 水分は普通にお取りいただいて構いません。お薬を飲んでおられる方も通常通りお飲みください。
2検査当日
- 食事はしないでください。牛乳・ジュース・コーヒーなどもお控えください。
- 内視鏡検査のみを受けられる場合は、水・お茶・紅茶・白湯を朝に飲んでいただいて構いません。
- タバコは吸わないでください。
- 鎮静剤を使用することもありますので、車、バイク、自転車での来院はお控えください。
3問診票記入・検査
- ご来院いただいて問診票をご提出または、ご記入いただき検査となります。
- 内視鏡を挿入するときに緊張してしまうと痛みが出る可能性がありますので、リラックスして気持ちを楽にした状態でお過ごしください。
4検査終了
検査終了後の注意点をご説明し、医師からの結果説明となります。鎮静剤を使用した場合は、30分~1時間程専用ベッドにて休んでいただき、その後の結果などの説明をさせていただきます。
5会計
検査費用をお支払いいただき、終了となります。
下部消化管内視鏡検査の場合
1検査前日
- 終日、検査食あるいは消化の良い食事をしていただきます。20時以降の食事はお控えください。
- 水やお茶、スポーツドリンクに限りお飲みいただいて構いません。
2検査当日
- 検査当日、ご自宅や会社などで朝7時より腸内洗浄液2リットルを内服した場合は10時30分にご来院いただき、その後洗浄具合を確認し、検査となります。
- 検査当日、10時30分にご来院いただきクリニックにて腸内洗浄液2リットルを内服した場合は腸内の洗浄具合を確認しながら、14時位の検査開始となります。
3問診票記入・検査
- 事前にお渡ししました問診票と同意書をご提出していただきます。
- 内視鏡を挿入するときに緊張してしまうと痛みが出る可能性がありますので、リラックスして気持ちを楽にした状態でお過ごしください。
- 検査の直前に腸の動きを止める薬や鎮静剤の注射をいたします。
4検査終了
検査終了後は、30分〜1時間程専用ベッドにて休んでいただき、その後結果などの説明をいたします。
5会計
検査費用をお支払いいただき、終了となります。
逆流性食道炎(IBS)
代表的な症状
- 食後に胸やけがする
- げっぷが出る
- すっぱいものや苦いものがこみあげてくる感じがする
胃の中で胃酸と食べたものが混ざったものや胃酸そのものが、食道をさかのぼってくる病気です。かつては高齢者に多い病気とされていましたが、最近では若い人がかかるケースも増えています。
逆流性食道炎は、胃と食道のつなぎ目にある下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)と呼ばれる筋肉の筋力低下や、便秘によって腹圧が高まることが原因であると言われています。
逆流性食道炎にかかっているかどうかは、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)をして診断します。
胃酸や胃の内容物が逆流してくると、食事のたびにつらい思いをすることになります。お早めに当院までご相談ください。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
代表的な症状
- 食後に胃が痛む
- 胃もたれ
- お腹が張る
- 吐血する
胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは、胃酸から胃や十二指腸を守る粘液と胃酸の分泌バランスが崩れ、胃や十二指腸に傷がついて痛みや出血を起こす病気です。胃潰瘍と十二指腸潰瘍を合わせて「消化性潰瘍」と呼ぶこともあります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ菌が大きくかかわっていると言われています。また、ストレスやたばこも原因となります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍にかかっているかどうかは、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)をして診断します。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍にかかっている場合は、潰瘍を治療するとともにピロリ菌を除菌することも必要です。お早めに当院までご相談ください。
大腸ポリープ
代表的な症状
- 便に血が混じる
- 鮮血便が出る
- 下血する
大腸ポリープとは、大腸の粘膜にいぼ状の突起ができる病気です。大腸ポリープは腫瘍性・非腫瘍性の2種類に分けられますが、腫瘍性のものは、放っておくと進行して大腸がんになるリスクがあります。
大腸ポリープは、食生活の欧米化により高脂肪の食事が増えたことや、食物繊維の摂取量が減ったことが原因であるとされています。
大腸ポリープの有無は下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)で診断します。検査をしながら切除手術を行なうことも可能です。
大腸ポリープはほとんど自覚症状がありませんが、将来的にがんになる可能性もあります。そのため、定期的に検査を受け、早期発見することが大切です。
ピロリ菌とは
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)とは、胃の粘膜に棲みついている細菌です。普通の細菌は強い酸性である胃酸の中では生きられませんが、ピロリ菌は自分の周りにアンモニアでできたバリアを張っているため、胃酸の中でも元気に動き回れることがわかっています。
ピロリ菌の感染率は、年齢が上がるにつれて高くなる傾向があります。感染率は20代や30代が5~7%であるのに対し、40代では20%、60代で40%を超え、70代以上では50%近くとなっています。これは、かつての日本では衛生環境が良くなかったものの、近年は上下水道の整備が進み、衛生状態が改善されてきたことが理由であると考えられています。
胃の中にピロリ菌がいると胃の粘膜が傷つき、慢性胃炎や胃潰瘍などが起こりやすくなります。また、ピロリ菌に長期的に感染していると、胃の粘膜が薄くやせてしまい、胃がんを引き起こすリスクも高くなる傾向があります。
ピロリ菌の感染の有無を調べるには、上部消化管内視鏡(胃カメラ)の検査と組織診・呼気テストが有効です・また、胃部X線検査(バリウム検査)で見つかることもあります。
検査でピロリ菌が発見された場合は、早めに除菌をすれば、胃がんやその他の疾患のリスクをおさえることが可能です。
胃炎が起こっていなくても、ピロリ菌が潜んでいるリスクはゼロとは言い切れません。まだピロリ菌の検査を受けたことがない場合は、一度検査を受けてみられることをおすすめします。